症状: 首の痛み、肩こり、頭痛
患者様:30代 男性
痛み: 下を向くときに首の後ろに痛みが現れる。
状態:デスクワークによる負担により、筋肉が緊張して痛みになっている。
さらに患者は身長が190cm を超える高身長なので、デスクワーク時以外でも下を向く場面が多く、それが症状の悪化に拍車をかけている。
問診時:頭痛が常に出ており、夜になると痛みが増す。
首は左右に振り返る動作は問題ないが、上下を向く動きで痛みが現れ、左右に傾ける動きは首筋が突っ張って動かすことができない。
治療方針:緊張の起きている首・肩の筋肉に対し鍼治療を行い症状の緩和を図る。また、下を向き続ける影響で鎖骨周囲の筋肉が緊張して肩の負担を増やしているので胸部にも施術を行う。
施術1回目:上半身を中心に筋緊張の緩和を図る
筋肉の緊張が強いため外部からの刺激に弱くなっていたため、細めの鍼を使用して刺激量に注意を払いながら施術を行いました。刺さるときには痛みは出ていませんでしたが、一定の深さに達するとズンとした感覚が強く現れたため、最初は浅めに刺して身体が慣れてきたころに深さを調整する手法を行いました。
初めての鍼治療での緊張と仕事での疲れが出てしまい、眠気で感覚がわからない状態になりました。その日は無理に動きを確認せず後日確認させていただく旨を伝えて翌週での来院を勧めました。
施術2回目:頭皮を中心的に施術
前回の施術から2週間ほど開けての来院でした。前回の施術後に眠気が強くご帰宅された後にすぐ眠ってしまったそうですが、いままでにないほどぐっすりと眠り、翌日には身体がとても楽になっていたそうです。頭痛もなくなり、仕事中に感じていた肩のコリ感や下を向くときの痛みも治まっていたそうです。しかし、10日ほどたったあたりから、痛みは出てないもののコリ感が気になるようになり、また来院されました。
身体の状態自体は前回同様の筋肉の緊張が原因でしたが、以前よりも緊張度合いが減っており、外部からの刺激にも過敏に反応することはなくなっていました。 今回は身体の状態が良くなっていたのもあり、リラックス目的のヘッドスパを希望されていたので、自律神経の働きの調整を図りつつ施術を行いました。
施術後、前回のような眠気は現れなかったので動きを確認しましたが、可動域・痛みともに改善されており、問題なく首を動かすことができていました。
その後の治療経過
その後から痛みが出ることはなくなり、コリを感じ始めたら予防のために来院するというルーチンになりました。だいたい2週間から3週間ほどでいらっしゃいます。
院長の所感
症状や状態自体はデスクワークをされる方に多く見られるものでしたが、ここに190㎝という高身長が加わったことで、身体にかかる負荷が増えて今回のような外部からの刺激に過敏に反応するまで弱ったのだと考えられます。
施術中特に意識したのは人体の中で下を向くときに一番負荷のかかるところのケアです。通常、肩や首を痛める人は首の付け根部分の筋肉の緊張が原因なのですが、この患者の場合は下を向くときの角度が深いため、首の付け根ではなく下の部分に負荷が集中しておりました。
同じ症状、同じ職種でも体格が違うだけで原因となる筋肉が変わってきます。改めて、その人の全身を診ることの重要さがわかる施術でした。