神奈川県横浜市中区(関内駅から徒歩4分)のわらび鍼灸院です!
皆さんは「胸郭出口症候群」というものをご存じでしょうか?
この「胸郭出口症候群」とは以前に紹介した「頚椎症」と似たような症状を持っており、
首や肩、腕がだるい、しびれる、といった症状から「単なる肩こりだろう」と思って放置してしまいがちなのですが、
放っておくとあまりよくないものでもあります!
今回はそんな「胸郭出口症候群」について紹介していきます!
胸郭出口症候群って、どんな病気?
「胸郭出口症候群」は、首から鎖骨の下を通って腕に向かう神経や血管が何らかの理由で圧迫されることで肩や腕、手に痛みやしびれなどの症状が引き起こされる状態を指します。
では、「胸郭出口」とはどこでしょうか?
これは首の付け根から胸にかけての、鎖骨、肋骨、首の筋肉などで囲まれた狭い空間のことです。この空間から腕や手に向かう大切な神経の束(腕神経叢)や血管が通っています。
例えるならトンネルの渋滞 です。首から腕に向かう大切な道(トンネル)が、何らかの原因で狭くなり、その中を通る車(神経や血管)が渋滞してしまっているような状態です。
この「渋滞」の原因となるのが、生まれつきの骨の形や、姿勢の悪さ、そして肩周りの筋肉の使いすぎや緊張などです。当院にいらっしゃる方は後者による理由が多いです。
どんな症状が出るの?
胸郭出口症候群の症状は、圧迫されている神経や血管によって、いくつかのパターンに分かれます。
- 神経が圧迫される場合
- しびれや痛み: 小指から薬指にかけて、また腕の内側に沿ってしびれや痛みが現れることが多いです。
- 感覚の異常: 手の感覚が鈍くなったり、反対にピリピリとした違和感があったりします。
- 脱力感: 腕や手に力が入りにくく、重いものを持てなくなったり、細かい作業が難しくなったりします。
- 血管が圧迫される場合
- 腕のむくみや冷え: 血行が悪くなることで、腕がむくんだり、冷たく感じたりします。
- 皮膚の色の変化: 腕や手の皮膚が青白くなったり、紫色になったりすることがあります。
これらの症状は、腕を上げたり、重いものを持ったりする動作で悪化しやすいのが特徴です。
胸郭出口症候群になりやすいのはどんな人?
以下のような特徴を持つ人は、特に注意が必要です。
- なで肩の人: なで肩の人は、鎖骨が下がっているため、胸郭出口の空間が狭くなりやすい傾向があります。
- 重いものを運ぶことが多い人: 重いリュックやバッグを肩にかけることが多いと、肩の筋肉に負担がかかり、神経や血管を圧迫しやすくなります。
- 姿勢が悪い人: 前かがみの猫背姿勢や、長時間のデスクワークなどで、首や肩周りの筋肉が緊張している人。
- 特定のスポーツをする人: 野球やバレーボールなど、腕を繰り返し上げる動作が多いスポーツをする人も発症しやすいとされています。
今日からできる!胸郭出口症候群の予防法と対策
一度発症してしまうと、なかなか症状が改善しにくい場合もあります。日頃から予防を心がけることが大切です。
1. 姿勢を正しく保つ
まずは、日常生活での姿勢を見直しましょう。
- 背筋を伸ばす: 座る時は、骨盤を立てて背筋を伸ばし、肩の力を抜きましょう。
- スマホやパソコンは目の高さで: 画面をのぞき込むように首を前に突き出さないよう、目線と同じ高さに調整しましょう。
2. 肩周りの筋肉をほぐすストレッチ
筋肉の緊張は、胸郭出口を狭くする大きな原因です。こまめにストレッチを行い、筋肉をほぐしましょう。
- 首のストレッチ: 首をゆっくり左右に倒したり、前後に倒したりして、首周りの筋肉を伸ばします。
- 肩甲骨のストレッチ: 肩をすくめるように上げてからストンと落としたり、肩甲骨を寄せるように胸を張ったりする動きも効果的です。
3. 体の負担を減らす
- 荷物は分散して持つ: 重い荷物は、片方の肩にかけるのではなく、両肩に均等に分散できるリュックなどを使うようにしましょう。
- 筋力トレーニング: 首や肩周りの筋肉を適度に鍛えることで、神経や血管への負担を軽減できます。
まとめ
胸郭出口症候群は、見過ごされがちな体の不調です。つらい肩や腕のしびれが続くようであれば、単なる疲れと決めつけず、整形外科を受診して相談してみましょう。
そして、今日からできる予防法を毎日の習慣に取り入れて、快適な体で過ごしてくださいね。












